曇ってて,膝丈ストッキングで,ばんざい!

1週間前くらいから,夜に虫の声が聞こえてくるようになった。こんなに暑くても,8月の終わりには鳴くんだ,と感動した。よく生きて(生まれて?)鳴いてくれた。こんなに暑いのに時期を間違えずにちゃんと。よくやった,えらい!

聞き慣れると,虫の声と強く結びついている記憶「読書感想文の宿題が残って,夜に虫が鳴き出すと焦って,それでもなかなか書けずに,明日,明日と先延ばしにしてた」というもの悲しい思いがよみがえる。毎年恒例のこと。

何十年も前のことなのに,よっぽど嫌な,大変な思いを毎年してきたんだろう。今は笑い話にできるけど。

本は面白く読めても,感想文を書くのは難しかった。本の感想の書き方って教わったことがあっただろうか。なかった気がする。

教えないで,ただ,書けと言われていたような。何とか書いてきたし,過ぎたことだから良いけど。

少し曇った日があった。雲が8割あっても晴れというらしいので,晴れだったかもしれない。朝から雲が少しずつ増えていった。

「曇ってて嬉しい」と言うと,友人が「暑くても青空に白い雲の方が,気持ちは良い」と。そんな空はもう見飽きた。この夏,散々見てきた。それで,雲が太陽を隠している薄い水色の空に,遠くに少し灰色がかった入道雲が淡く見える,優しい美しさについて話した。

用事を終えて外に出ると,夕暮れ時に。そして少し涼しい!

この穏やかな夕方の素晴らしさ,穏やかさが嬉しくなってきて,「曇ってて,嬉しい。曇りの日,ばんざい!曇りの日,ばんざい!」と大声ではなく言って,両手も小さくあげていたら,ますます嬉しくなった。

広い駐車場に,人もいなかったので,本当は大声で言いたかった。両手を高々と上げたかった。

車から出てきたおじさんがいたので,大声で両手高々,にしなくて良かったと思った。

歳を重ねて,若い頃よりは色んな面で自由になってきたけれど,大声で「曇りの日ばんざい」と言えるまでの自由は,まだ獲得していない。

先日,おばさんになったらしてみたい,と思っていたことの1つを実行した。

膝が少し隠れる長さのスカートに,膝丈ストッキングをはいたのだ。歩くくらいでは見えないけど,自転車をこいだり車の乗り降りの時は,(膝丈のだ)とバレるかもしれない。だから膝丈スカートの時は,暑くても,これまではパンティストッキングをはいてきた。

膝丈スカートに膝丈ストッキング。これで私もおばさんデビューだ。

周りの人たちは,もっと前から,私のことをおばさんと思っていたと思うが。