娘の転勤
娘が西の方へ行った。家から出立つするのは2度目。1度目の時は空っぽになった娘の部屋を見ると胸がキュッとなるので,見ないように閉めていた。
今回は,娘が買った白い家具と黄色い椅子が部屋にある。見ると寂しい気持ちになるが,前回ほどではない。こういう事も慣れるということがあるのか,娘も前より大人になったからか。
娘の痕跡を残すと寂しいので,残していったものを早く無くそうとしている。ちょっとした物が少しだけ,ある。
娘が友人からもらって使い切れなかったバーベキューのタレやお菓子,お茶。紙袋。
ずいぶん長く使って,折り目の内側が薄くなっている日傘も早く処分したかった。
ところが,これは「捨てておくよ」と言いながら,ちょっとした外出に惜しげなく気軽に使えるので,使っている。何回も「まだこんなの使ってるの?買いかえたら?」と娘に言っていたのに。
内側は,折り目に小さな穴がいくつも開いているように見えたり,茶色いサビが付いていたりするけれど,外側はそれほどは傷んでいないように見える。そして,可愛い。
捨てずに使っていることを伝えて,「あの傘,可愛いね」と言うと「うん。ポロのだしね」と。娘にしては高い物だったのかな。愛着があったんだろうな。
娘を思い出させる物だけど,寂しくない。使うとかえって温かな気持ちになる。
少ないお給料から,家に家賃を入れ,忙しくても食事当番を果たし,長年同じ日傘を使って,けな気な娘,と思う。
離れると,温かな気持ちで娘のことを思える。
一緒に住んでいると,「時間通りに,食事を出して!」「まだそんな日傘さして‥新しいの買ったら?」
などなど,苛立ってしまうのだ。娘は私のことを,いっぱい辛抱したと思う。
メール(LINE)では,お互い,優しく気遣いあることを書くのに。
これは誰とでも,母,友人とでもそうだ。メール(LINE)では皆に優しくできる。そして相手も皆優しい良い人になる。
これからはメール(LINE)のやりとりだけになるから,お互い平和で優しい気持ちでいられるだろう。帰省してもそうでいられるように。
もし太ったとしても,決して「え!なんでそんなに太っちゃったの!」などと言わないように,今から決意しておく。