山に行った。

頂上から雲が流れ落ちて来るようだった。


山に行ってきた。別世界だった。

自分の足で登ったのではなく,車とロープウェイとリフトを使って楽に^^;

ロープウェイから紅葉を見下ろす。いつもは見上げている木々がずった下にある。ロープウェイから降りると寒さが増している。山が近い。展望レストランでコーヒーと共に山の水も飲んだ。舌にまろやかで,家の浄水器の水と,明らかに違う。美味しかった。400円のコーヒーより無料の水の方が,価値があった。

リフトでもっと上に行ける。寒いので迷う。でもせっかくのチャンス。乗る。寒い。着いたらもっと寒い。そして山がもっと近い。目の前の山の頂上は雲に隠れている。山襞がはっきり見える。あんな所を登る人がいるのか。振り返ると後ろにも山々。霧に映る虹が見えた

寒かったけれど山々を,そして一番近くに山肌を見せている山を,しっかり見ておいた。圧倒された。

家に帰りながら,少し山男の気持ちが分かったような気がした。山男は下界に戻って仕事をしていても,自分は異質と思うらしい。そして思いの中ではいつも「今度いつ山に登ろう」と考えているらしい。

これは昔,登山家が出てくる小説を読んで,印象に残ったこと。ずいぶん昔に読んだので正確ではないかも知れないけれど。

下界に戻ったけれど,思いの中にはあの山の姿があって,「私は見た。あの山々の近くにいた。見る前の私と,今の私はどこか違う」という気持ちがする。

山に,畏敬の念を抱いた。それと親しい気持ちと。胸の中にあの山の姿がある。

それもやがて,少しずつ薄れていってしまうのだろうが。

日帰りとは言え,何年ぶりかの旅行で,おまけに珍しく山へ行ったから,感動が深かったのだと思う。