「完璧主義はやめたの」

友人が「私は完璧主義なの。だからストレスがたまるんだと思う」と。「私も完璧主義者だったけど,やめたの」「へえ,やめたんだ」

話しているうちに,私と彼女の思っていることが違うと分かった。

彼女は,例えば,夫はこうあるべき,こうでなくてはいけない,と考え,そうでないと,嫌だと。

あら,人を理想通りの人にしようと?だいたいの人が自分のことさえ変えられないのに?

私は,理想の自分と,現実の自分の違いに,がっかりし失望していた。今も残念に思うが,過度にがっかりはしない。

 

変な完璧主義だったな,と思う事。

昔,ボールペン習字の通信講座を申し込んだ時。お手本通り書けるようになってから,課題を送ろうと思って,結局1度も送らなかった。

初めの方の課を何度も何度も練習して,なかなか先へ進めなかった。

完璧に書けなくても,課題を送った方が良かったと思う。

試験勉強の予定を立て,それも現実的でない量だったりしたので,すぐ予定通りいかなくなり,また予定を立て直す。

予定通りやらない所は,全然完璧主義者じゃないんだけど。

予定ばっかり立てていないで,その時間,勉強した方が良かったと思う。

ちょうど良いと思えるノートが見つけられなくて,書けなかった。妥協して選んででも,まず,書く,という目的を果たす方が良かった。



結婚して,仕事を続けるつもりがうまくいかず,専業主婦になった。

「これからは家事全般が私の仕事」と思って,私なりに一生懸命やった。初めの頃(^^;

結婚前からお弁当を楽しみにされていたので,結構頑張って作った。

献立を立ててお買い物。スーパーで,年配の主婦たちが「今日何にしよう」と言っているのを聞いて,(何年主婦やってるの?)と思っていた。

今は,良く分かる!何作るか考えずにお買い物に行くこと,ある。

また,例えば,手作りしないでドレッシングや,たれを買う自分を責めていた。

今は,責めない。手作りできた時は,嬉しく思う。

掃除も,「今日は浴室のていねい掃除の日。やるぞ」と意気込んで,結局全部はできない。そうなると,次の,“浴室ていねい掃除の日”が来ても,最後までできないと嫌だから,恐れる。

今は,100できなくても,1でも2でも‥少なすぎかもしれないけど,やった方が良いと思う。

 

子どもに対しても,もっとこうあって欲しい!と高望みしがち。

ある時,ある講演の中で「自分の子にしては,上出来なのではないですか?」と言われて,笑えた。

自分より優しく強く賢い子になって欲しい,と思って育てたが,一方では,「自分の子にしては上出来」という現実的な見方も必要。

昔,朝ドラで「生きちょるだけで,丸もうけ」と言う言葉を聞いたことがある。本当にそうだ。生きているだけで良い。

 

何にしたって,完璧なんてあり得ない。

理想に近づこうと努力するのは良いことだと思うし,そうしたいと思う。

でも完璧を目指して動けなくなるより,完璧にできなくても,行動する方がずっと良い。

いらいら,がっかり,するより,「こんなもんだね」と笑っていられる方が良い。