読んでもらうだけで。聞いてもらうだけで。


人に読んでもらうだけで文章が上手になる,という人がいる。

読み手がいる,と意識するので,誤解がないように,わかりやすく,と思って書くから上達するのか。

実際ブログを書いた後,プレビューで見て,「ここ直さなくては」と思うことがある。読む人がいる,いないに関わらず,“公開”している緊張感があるからだ。自分さえわかればよい日記と,そこが違う。

ただ,大事なのは中身だと思うが,読んでもらうだけで中身まで良くなっていくのか?

文章も中身も良くなりますように。

 

朗読も,聞いてもらうと上手になる,と,朗読を仕事にしている人の本に書いてあった。聞いている人に伝わるように読もう,と意識するからか。

 

女優さんとか,そういう,人に見られる仕事をしている人も,段々綺麗になっていく。

 

歌や楽器も,そして外国語も,人に聞かせると上手になるか?

絵や字も,ダンスも,見せれば上手になるか?

人を呼んで食事を食べてもらうと,料理が上手になるか?

カーテンを開けて部屋を見せていれば,家事や住み方が上手になるか?

 

ピアニストのグレン•グールドは,コンサートに疑問を持っていて,後年はスタジオ収録オンリーだったと聞く。もう十分過ぎるほど素晴らしい腕前だったし,人に聞かせる聞かせないに関係なく(レコードは出しているわけだけど),進歩していく人もいて,彼はそういう人なんだと思う。(グールドのCDを1枚持っているだけなのに,知った風に書いてしまったけど‥)

打ち込める大好きなことがあって,とにかく上手になりたい,もっともっと上手になりたい!という情熱を持っている人。そういう人は上達していくと思う。TVドラマで見た北斎がそうだった。彼も,作品を人に見せる見せないは関係なさそうだけど,どうだったんだろう。

 

毎日1つエッセーを書こうと思っていても,ほとんど書けなかった。それなのにブログを始めたら,毎日ではないけれど,何やかや,書ける。うっかり“公開”にして,ま,良いか,そうしてみよう,と少しの勇気を出したおかげ。

私には,公開するか公開しないかは,関係があるようだ。